ルービン元財務長官による寄稿 ‘Philosophy pays off’ (ニューヨーク・タイムズ)
5月2日のNYT(国際版)は、ロバート・ルービン元財務長官の寄稿 ‘Philosophy pays off’ を掲載。「学部時代、後の仕事で基礎となった講義は何か」との問いにはいつも、「ギリシア哲学と、カフェでの実存主義についての議論」と答えてきたという。
— unamateur (@amachan_taste) May 10, 2018
「いかなる命題も、真であると証明することは、窮極的には不可能」に、「重要な決定はすべて蓋然的である」との結論に至る。「私にとって、実存主義とは、パースペクティヴ(遠近法)の、内面化された意味です」。「現在はとても重要ですが、時間的・空間的総体のなかでは、些細なものとなります」。
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ルービン氏の著作の題は、‘In an Uncertain World’ 。納得。https://t.co/lXqFa4j0Kz
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ルービン氏は、講義で示された思考を ‘critical thinking’ と呼び、自身にある潜在的傾向にアピールしたと振り返る。それはまた、実存主義哲学ともども、人生の土台ともなった。「危機的な」状況を、まま扱う政治家にとって、〈自分〉を確保する方法を持つことは、大切だった。
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その方法を、教養と呼んでみたい。哲学の蘊蓄を語ることではなく、それを通じて、〈自分〉に触れること。そうして、深めることはできるが、掴みとることは「窮極的には不可能」と思われる〈何ものか〉(ルービン「蒔かれた種は、人生を通じて成長している」)。それは、私たちにも「役立つ」に違いない
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芸術の批評(criticism)も、そうあって欲しい。
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芸術や哲学は、そういった意味で、保険と似ている。普段、出ていくだけで「役に立たない」が、いざという時、‘pay off’ する。大学や文化政策で、手近な利益のため、「保険」を解約するのは、あまりよくないと思う。しばらくはよくても、気づいた時にはもう遅いかもしれない。
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「彼らは、ひとときを過ごすことを考えているのだ。
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キリスト教に向かわせるために、プラトン。」
「賭の必要性について」219《パンセ》(前田・由木訳)
日銀の黒田東彦総裁は学生時代、カール・ポパーの『推測と反駁』を原著で読んだという(2013.11.12 朝日夕)。「あくまで理論についての話ですから、こうしたポパーの議論が、その後の私の仕事に直接つながっていることはありません」。間接的には、教わることはあるという。
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