op.1

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ロイヤル・バレエ来日公演《ロイヤル・ガラ》を観る

6月30日(日)、ロイヤル・バレエ(Royal Ballet)*1来日公演《ロイヤル・ガラ》を鑑賞した。会場は、神奈川県民ホール(14時開演)。梅雨空の下、劇場に向かう。

同来日公演は、先週26日の、《ドン・キホーテ》(カルロス・アコスタ版、2013年初演)に続いて、2演目目*2

全体は、三部構成で、《三人姉妹》(振付:ケネス・マクミラン)、パ・ド・ドゥ集、《シンフォニー・イン・C》(振付:ジョージ・バランシン)が、上演された。

公演プログラムに、「英国ロイヤル・バレエ団のプリマ・バレリーナ・アッソルータ、デイム・マーゴ・フォンテイン(1919年5月18日~1991年2月21日)に捧ぐ」とある*3

2回きりの、ガラ公演(29日、30日)。両日とも、チケットは売り切れで、当日は、大入の札が出ていた。

感想を、順に、述べていこう。

 

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最初に上演されたのは、《三人姉妹(Winter Dreams)》(振付:ケネス・マクミラン*4、1991年)*5。原作は、チェーホフの戯曲《三人姉妹(The Three Sisters)》(1901年)。音楽は、編曲された、チャイコフスキー作品と、ロシア民謡が、ピアノ*6と、ギターで、奏された。

マクミランによると、これは、所謂、物語バレエではないらしい。「バレエの登場人物に戯曲と同じ役名をつけてはいるが、この戯曲全体をバレエ化することは私の意図ではない。ある場面の振付はとある登場人物の心情を垣間見せ、またある場面は物語の一端を映し出す。私が試みたのは、チェーホフのこの傑作に内在する、移ろう雰囲気とメランコリーを描き出すことである」(公演プログラム)。

音楽は、舞台両脇に置かれた、スピーカーから、流れた。装置・衣裳は、ピーター・ファーマー*7

長女オリガ、次女マーシャ、三女イリーナは、それぞれ、両腕を覆う、ボルドー、ベージュ、ダークピンクの、ドレスを、着ている。

その上でも、ポワントで、立体的に踊っているのが、分かる。

イリーナの、ヤスミン・ナグディ(プリンシパル*8*9が、卓越していた。

しなやかに釣り合った、明晰な造形。腕の表情からこぼれる、微笑み、やさしさ、躊躇い。この劇場に足を運ぶのは、三度目で、前回、前々回と、モーツァルトのオペラを聴いたが*10、彼女の踊りは、その、オペラ・アリアのようだった。古典的に、品を保ちつつ、情感豊か。それが、appealing な〈肉体〉として、歌われるのだ。ナグディは、そういう、ドラマティック・バレリーナだった。

(彼女は、2017年に、プリンシパルに昇進したバレリーナで、前回、2016年の来日公演時*11は、ソリストだった(この時、ファースト・ソリスト昇進が、内定していた*12)。女性プリンシパル(8名)のうち、最近、加わっている*13。)

マーシャを踊った、ラウラ・モレーラ(プリンシパル*14は、硬質な造形から、一途さが伝わったが、しばしば、硬かった*15

オリガの、クレア・カルヴァート(ファースト・ソリスト*16、ナターシャ(三人姉妹の兄嫁)の、ロマニー・パイダク(ファースト・アーティスト)*17も、悪くはなかったが、その造形は、ナグディと比べると、前者は、微温的、後者は、多弁でも、語彙不足だった。

男性ダンサーでは、マーシャと恋に落ちる、ヴェルシーニン中佐の、平野亮一(プリンシパル*18は、よかったが、クルイギン(マーシャの夫)の、ニーマイア・キッシュ(プリンシパル*19は、モレーラ以上に、硬かった。

 

一時間の上演が終わり、ホワイエに出ると、劇場正面のガラス越し、雨が降っていた。

20分の休憩。 

 

* * *

 

ここからは、オーケストラが入った(第一部から、オーケストラ・ピットには、入っていた)。《ドン・キホーテ》と同じく、マーティン・イエーツ*20指揮の、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団*21

四つの作品から、上演された。 

 

《眠れる森の美女》より、ローズ・アダージオ(振付:マリウス・プティパ*22、改訂版振付:モニカ・メイスン*23、クリストファー・ニュートン*24*25

オーロラ姫を踊ったのは、マリアネラ・ヌニェス(プリンシパル*26

彼女の踊りを観るのは、今回が、3度目だ。最初は、前回、2016年の、ロイヤル・バレエ来日公演で、ジゼルを観たが*27、感動しなかった。次は、翌年、2017年の、ルグリ・ガラ*28で、4演目観たが、《ジゼル》、《チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ》は、それぞれに、創造的だった。

今回は、残念ながら、芸術性が、分からない方だった。バレエとして、何を表現しているのか、分からなかった。

 

《マノン》より、第一幕のパ・ド・ドゥ(振付:ケネス・マクミラン、音楽:ジュール・マスネ、編曲:マーティン・イエーツ、1974年)

踊ったのは、ローレン・カスバートソン(プリンシパル*29と、ワディム・ムンタギロフ(プリンシパル*30

彼女の長い四肢は、舞台上で、伸びやかだった。完成された、芸術的な踊りだったが、それは、全幕を通して、じっくり鑑賞してみたいと思わせるような、性格をしていた*31

 

《オンディーヌ》より、パ・ド・ドゥ(振付:フレデリック・アシュトン*32、音楽:ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ*33、1958年)*34*35

フランチェスカ・ヘイワード(プリンシパル*36と、エドワード・ワトソン(プリンシパル*37が、踊った*38

「『オンディーヌ』は、…  ロマン派の詩人フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケーが著した、 水の妖精と人間の青年の運命的な結婚を描いた小説に基づいている」(公演プログラム)。

ヘイワードは、半透明の、白いドレスを身に纏い、トゥシューズを履いている。しなやかな踊りで、脚の、有機的なかたちは、そのまま体幹を貫き、両腕に、抜ける。柳の枝が、幹となり、また、葉となって、水に還ろうとするような、根源的な、踊り。それを、端的に完成された芸術で、体現する。これまで、伴奏の役割は果たしてきたオーケストラだが、不釣合が過ぎて、逆説的に、バレエとは、本来、踊りと音楽の、融合なのだと、痛感させられた。

彼女の踊りは、第二部の、白眉だった。  

 

ロミオとジュリエット》より、第一幕のパ・ド・ドゥ(振付:ケネス・マクミラン、1965年*39

ナターリヤ・オシポワ(プリンシパル*40と、セザール・コラレス(ファースト・ソリスト*41が、踊った*42。オシポワは、4日前、《ドン・キホーテ》キトリ役で、素晴らしい踊りを、披露している。

(オシポワに関して)悪くない。しかし、決して、良くもなかった。踊りから、ジュリエットの心情が、伝わってこないのだ。

(冒頭、ロミオとジュリエットが、見つめ合うシーンで、金管がよれたのには、興醒めした。)

 

* * *

 

15分の休憩の後(あと)、最後に上演されたのは、《シンフォニー・イン・C(Symphony in C)》(振付:ジョージ・バランシン*43*44。音楽は、ビゼー*45の、交響曲第1番 ハ長調。 これは、4楽章の交響曲で、ビゼー音楽学校時代、17歳の時、作曲された(1855年)。生前は、演奏されず(ビゼーは36歳で亡くなった)、1935年、初演されたという(指揮は、ワインガルトナー)。バレエは、1947年、《水晶宮(Le Palais de Cristal)》として、パリ・オペラ座で初演*46。また、公演プログラムによると、「オペラ座での初演の翌年にニューヨーク・シティ・バレエで再演するにあたり、バランシンは、今日、上演されているヴァージョンに改訂し、『シンフォニー・イン・C』と改題した」。《三人姉妹》とは対照的に、裸の舞台で、バレリーナは、白いクラシック・チュチュ、男性ダンサーは、黒いタイツに、黒い上着を着て、踊る*47

バランシンの、大きな作品を鑑賞するのは、2015年、マリインスキー・バレエによる《ジュエルズ》(1967年)*48、2017年、パリ・オペラ座バレエによる《テーマとヴァリエーション》(1947年)*49に続き、三作品目だ。

楽章順に、見ていこう。

 

第一楽章(Allegro vivo)で、主演したのは、金子扶生(ファースト・ソリスト*50と、マシュー・ボール(プリンシパル*51。他に、カルバート、ベアトリス・スティックス=ブルネル(ファースト・ソリスト*52らが、ソロを、務めた。以下、全楽章に、コール・ド・バレエが、付く。

金子の踊りを観るのは、2017年のガラ公演《バレエ・スプリーム》*53での、《白鳥の湖》、第2幕のパ・ド・ドゥ以来、二度目。その時は、確かな技術に裏打された、glamour な、肉の存在感、曲線美に、目を奪われたが、今回は、それ以上の芸術性を、見せた。

彼女は、もともと、四肢の長い、バレリーナだが、ここでは、それに、凄みがあった。特に、両腕は、私たちを、飲み込まんばかりに、開いた。後ろに跳ねる、片脚も、躍動していた。この、希(まれ)なる〈大きさ〉は、むろん、金子固有の肉体に、彩られていた。美的に言って、エトワール(星*54)の、芸術だった*55

彼女は、当初、この演目を、踊る予定はなかった*56。このような体験ができたのも、縁だと、思う。

第二楽章(Adagio)は、サラ・ラム(プリンシパル*57と、リース・クラーク(ソリスト*58が主演し、メリッサ・ハミルトン(ファースト・ソリスト*59、オリヴィア・カウリー(ソリスト*60らが、ソロを務めた。

ラムは、昨夏、世界バレエフェスティバルで、《コッペリア》と、バランシン《アポロ》を踊り*61、前者では、純度を増した、古典的な肉体が映え、後者では、その「骨」が、芯から、しなやかだった。《アポロ》(1928年)では、これまで、見たことのない、芸術性を、示していたので*62、彼女のバランシンに、注目していた。

白く、細く、直線的な脚。それらは、ラムのものだ(古典的肉体の、一つの純粋形だと、改めて、思う)。

期待は、よい意味で、裏切られた。

従来の古典でも、対する、軟でもなく、バレエの規範を守りながら、力を抜いて、自由に、踊っていた。その腕は、ふと、バレリーナであることを、やめ、素顔の、ラムと、なった*63

第三楽章(Allegro vivace)は、マヤラ・マグリ(ファースト・ソリスト*64と、マルセリーノ・サンベ(ファースト・ソリスト*65。他に、アンナ・ローズ・オサリヴァンソリスト*66、メーガン・グレース・ヒンキス(ソリスト*67らが、踊った。

マグリは、初めて観る、バレリーナだが、高田茜(プリンシパル*68が、来日をキャンセルした後、キトリにキャスティングされていたので、その点、注目していたが、美質を捉えることは、できなかった。

第四楽章(Allegro vivace)は、ヘイワードと、アクリ瑠嘉(ソリスト*69。パイダク、イザベラ・ガスパリーニ(ファースト・アーティスト)*70ら。

ヘイワードは、《オンディーヌ》とは別人のように──オシポワの、ジュリエット同様──、その踊りから、訴えるものが、感じられなかった*71

最後、第一楽章、第二楽章、第三楽章の、主役も、登場し、舞台は、バレリーナ、バレエ・ダンサーで、林立する*72。その装飾性に、バランシンは、贅沢な人だと、思った*73(この上演では、コール・ド・バレエも、ほとんど、装飾的だった*74)。

 

ラムが、手渡された花束から、一輪、抜いて、指揮者を、舞台に、迎え入れる。

紙吹雪。ラムを先頭に、オーケストラ・ピット越し、花を投げる、バレリーナたち。 

 

* * *

 

終演後、劇場前の、ドトールコーヒー(産業貿易センター店)で、ハニーカフェオレを飲みながら、余韻にひたる。

一息ついて、外に出ると、雨はやみ、あたりは、暗くなっていた。

 

配役表は、以下。

英国ロイヤル・バレエ団 〈ロイヤル・ガラ〉 6月30日(日)のキャスト/What's New/NBS日本舞台芸術振興会

*1:芸術監督は、2012年より、ケヴィン・オヘア。Kevin O'Hare — People — Royal Opera House

*2:ドン・キホーテ》評は、以下。ロイヤル・バレエ来日公演《ドン・キホーテ》を観る - op.1

*3:Prima Ballerina Assoluta of The Royal Ballet  ‘With Ninette de Valois and Frederick Ashton she was instrumental in shaping the Company, and was particularly renowned for her performances in the classics and as a muse for Ashton.’  Margot Fonteyn — People — Royal Opera House  彼女の、生誕100周年となる今年、ロンドンでは、6月8日、‘Margot Fonteyn: A Celebration’ と題する、ガラ公演が、行われたらしい。Margot Fonteyn: A Celebration — News — Royal Opera House(プログラムは、以下。Photos and full programme of Margot Fonteyn, A Celebration with The Royal Ballet)元ロイヤル・バレエ、プリンシパル、ダーシー・バッセルも、出演したようだ(1988年、ロイヤル・バレエ入団、1989年、プリンシパル。2007年、退団。  Darcey Bussell — People — Royal Opera House)。

*4:1929-92年。元ロイヤル・バレエ芸術監督(1970-77年)。Principal Choreographer (1977–92)  Kenneth MacMillan — People — Royal Opera House

*5:Winter Dreams — Productions — Royal Opera House

*6:ロイヤル・バレエ、Head of Music Staff の、ロバート・クラークが、弾いた。Robert Clark — People — Royal Opera House

*7:Peter Farmer — People — Royal Opera House

*8:ロイヤル・バレエは、プリンシパル(Principal)、ファースト・ソリスト(First Soloist)、ソリスト(Soloist)、ファースト・アーティスト(First Artist)、アーティスト(Artist)の、五階級制。Dancers — Royal Opera House

*9:2010年入団。2017年、プリンシパル。イギリス出身。Yasmine Naghdi — People — Royal Opera House

*10:ウィーン国立歌劇場フィガロの結婚》(指揮:リッカルド・ムーティ、2016年。「フィガロの結婚」/ウィーン国立歌劇場 2016年日本公演/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団魔笛》(指揮:川瀬賢太郎、2017年。神奈川県民ホール オペラシリーズ2017 W.A.モーツァルト作曲 魔笛  評は、以下。川瀬賢太郎指揮、勅使川原三郎演出、神奈川フィルの《魔笛》を聴く - op.1)。ともに、素晴らしい演奏だったが、特に、《フィガロの結婚》は、ウィーン・フィルから、これまで、聴いたことのないほど、柔和な響きを、ムーティが(!)、引き出し、ロココ的ですらあった。ディスク化を望みたい(ムーティは、2021年、ウィーン国立歌劇場来日公演で、《コジ・ファン・トゥッテ》を、振るという。https://www.nbs.or.jp/operafestival/lineup/)。

*11:鑑賞回では、ジュリエットの友人、《ジゼル》パ・ド・シスを、踊った。

*12:Promotions and joiners at The Royal Ballet for 2016/17 — News — Royal Opera House

*13:プリンシパル就任順を列挙すれば、ヌニェス(2002年)、ラム(2006年)、モレーラ(2007年)、カスバートソン(2008年)、オシポワ(2013年)、ヘイワード(2016年)、高田(2016年)、ナグディ(2017年)となる。

*14:1995年入団。2007年、プリンシパル。スペイン出身。Laura Morera — People — Royal Opera House

*15:ちなみに、モレーラは、21日、22日、25日に踊る予定だった、《ドン・キホーテメルセデス役を、「ふくらはぎの怪我のため」、キャンセルしている。英国ロイヤル・バレエ団 「ドン・キホーテ」 6月21日(金)のキャスト/What's New/NBS日本舞台芸術振興会 英国ロイヤル・バレエ団 「ドン・キホーテ」 6月22日(土)18:00 開演のキャスト/What's New/NBS日本舞台芸術振興会 英国ロイヤル・バレエ団 「ドン・キホーテ」 6月25日(火)のキャスト/What's New/NBS日本舞台芸術振興会

*16:2007年入団。2016年、ファースト・ソリスト。イギリス出身。Claire Calvert — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、ドリアードの女王を、踊った。

*17:2004年入団。2008年、ファースト・アーティスト。2019/20年シーズンより、ソリスト。イギリス出身。Romany Pajdak — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、ジプシー(ソリスト)を、踊った。

*18:2002年入団。2016年、プリンシパルRyoichi Hirano — People — Royal Opera House

*19:2001年、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ入団。2005年、プリンシパル。2008年、プリンシパルとして、デンマーク・ロイヤル・バレエに入団。2010年、プリンシパルとして、ロイヤル・バレエに入団。2018/19年シーズンで、ロイヤル・バレエを退団する。アメリカ出身。Nehemiah Kish — People — Royal Opera House

*20:2004年の、ロイヤル・バレエ・デビュー以来、毎シーズン指揮しており、海外ツアーにも、定期的に、帯同しているという(この来日公演では、彼が、全て、東京シティ・フィルを、指揮したようだ)。アコスタ版《ドン・キホーテ》では、編曲も、手掛けた。Martin Yates — People — Royal Opera House

*21:常任指揮者は、2015年より、高関健。指揮者|楽団について|東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

*22:Marius Petipa — People — Royal Opera House

*23:前ロイヤル・バレエ芸術監督(2002-12年)。Monica Mason — People — Royal Opera House

*24:Christopher Newton — People — Royal Opera House

*25:‘Margot Fonteyn, a famous exponent of the Rose Adagio’ (Photos)  Margot Fonteyn — People — Royal Opera House

*26:1998年入団。2002年、プリンシパルアルゼンチン出身Marianela Nuñez — People — Royal Opera House  ‘Margot Fonteyn: A Celebration’ でも、同演目を、踊っている。

*27:ジゼル/英国ロイヤル・バレエ団 2016/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

*28:フジテレビダイレクト | ルグリ・ガラ

*29:2002年入団。2008年、プリンシパル。イギリス出身。Lauren Cuthbertson — People — Royal Opera House

*30:2009年、イングリッシュ・ナショナル・バレエ入団。2012年、リード・プリンシパル(最高位)。2014年、プリンシパルとして、ロイヤル・バレエに入団。ロシア出身。Vadim Muntagirov — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、バジルを、踊った。

*31:昨年観た、佐久間奈緒のオーロラ姫は、「数分の踊りで印象を残すより、全幕で、しみじみと味わわすものだった」。バーミンガム・ロイヤル・バレエ《眠れる森の美女》を観る - op.1

*32:1904-88年。Founding Choreographer  1935年、Resident Choreographer  元ロイヤル・バレエ芸術監督(1963-70年)。Frederick Ashton — People — Royal Opera House

*33:1926-2012年。‘Henze was first inspired to compose for ballet when Sadler’s Wells Ballet visited Hamburg in 1948. He saw and was much impressed by Ashton’s Scènes de Ballet, and wrote to the choreographer to express his admiration and to introduce himself. The two men would later collaborate on the ballet Ondine, at the recommendation of British composer William Walton.’ Hans Werner Henze dies aged 86 — News — Royal Opera House

*34:「フォンテインのために作られた作品であり、初演の舞台では、フォンテインがマイケル・ソムズとともに主演を務めた。この時以来、本作は彼女の代名詞と目されている」(公演プログラム)。

*35:当初、《オンディーヌ》は、上演される予定はなく、《白鳥の湖》に代わって、取り上げられた。〈ロイヤル・ガラ〉全上演作品、および配役決定のお知らせ/What's New/NBS日本舞台芸術振興会  ちなみに、チャイコフスキー(1840-93年)のオペラ《ウンディーナ》(1869年作曲。スコアは、作曲家の手により破棄)の、ウンディーナとフルトブラントの二重唱は、《白鳥の湖》(1877年初演)の、オデットとジークフリートのデュエットに、転用されている。Undina - Tchaikovsky Research  Tchaikovsky : Undina, fragments from the destroyed opera (1869) Live Recording - YouTube  また、当初は、ウェイン・マクレガー(Resident Choreographer (2006-)  Wayne McGregor — People — Royal Opera House)、クリストファー・ウィールドン(Artistic Associate (2012-)  Christopher Wheeldon — People — Royal Opera House)、リアム・スカーレット(Artist in Residence (2012-)  Liam Scarlett — People — Royal Opera House)の作品も、上演される予定だった。 英国ロイヤル・バレエ団 2019年日本公演 公演概要決定!/What's New/NBS日本舞台芸術振興会  バレエの最先端に触れるような作品を、機会があれば、見てみたい。

*36:2011年入団。2016年、プリンシパル。イギリス出身。Francesca Hayward — People — Royal Opera House

*37:1994年入団。2005年、プリンシパル。イギリス出身。Edward Watson — People — Royal Opera House

*38:両者は、‘Margot Fonteyn: A Celebration’ でも、同演目を、踊っている。

*39:初演表題役は、フォンテインと、ヌレエフ。

*40:2004年、ボリショイ・バレエ入団。2010年、プリンシパル。2011年、プリンシパルとして、ミハイロフスキー劇場バレエに入団。2012年、アメリカン・バレエ・シアタープリンシパル。2013年、プリンシパルとして、ロイヤル・バレエに入団。ロシア出身。Natalia Osipova — People — Royal Opera House

*41:2014年、イングリッシュ・ナショナル・バレエ入団。2017年、プリンシパル。2018年、ファースト・ソリストとして、ロイヤル・バレエに入団。Cuban-Canadian  Cesar Corrales — People — Royal Opera House

*42:オシポワは、‘Margot Fonteyn: A Celebration’ でも、同演目を、踊っている。ロンドンでは、ロミオは、デイヴィッド・ホールバーグだったようだ。David Hallberg — People — Royal Opera House

*43:1904-83年。1948年、ニューヨーク・シティ・バレエを、創設。George Balanchine — People — Royal Opera House

*44:Symphony in C — Productions — Royal Opera House

*45:Georges Bizet — People — Royal Opera House

*46:バランシンは、ストラヴィンスキー(1882-1971年)から、この曲の存在を知らされ、二週間で、振付けたという。https://www.nycballet.com/ballets/s/symphony-in-c.aspx  一方、ビゼーは、およそ、一ヶ月で、作曲したらしい。Symphony in C (Bizet) - Wikipedia

*47:配役表には、装置・美術として、アンソニー・ダウエルとある(ダウエルは、元ロイヤル・バレエ芸術監督(1986-2001年)。Anthony Dowell — People — Royal Opera House)。照明デザインは、《三人姉妹》同様、ジョン・B・リード。John B. Read — People — Royal Opera House

*48:http://www.japanarts.co.jp/mb2015/jewels.html

*49:グラン・ガラ/パリ・オペラ座バレエ団 2017/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会  評は、以下。パリ・オペラ座バレエ来日公演《グラン・ガラ》を観る - op.1  「1960年に(《テーマとヴァリエーション》を)ニューヨーク・シティ・バレエで再演するにあたり、バランシンは『シンフォニー・イン・C』の装置と衣裳を用いた」(パリ・オペラ座バレエ来日公演プログラム)。

*50:2010年、地主薫バレエ団入団。同年、ロイヤル・バレエ入団。2018年、ファースト・ソリストFumi Kaneko — People — Royal Opera House

*51:2013年入団。2018年、プリンシパル。イギリス出身。Matthew Ball — People — Royal Opera House

*52:2010年入団。2016年、ファースト・ソリストアメリカ出身。Beatriz Stix-Brunell — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、メルセデスを、踊った。

*53:バレエ・スプリーム/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

*54:ここまで来ると、階級は、もう、関係なくなってしまう。彼女は、芸術家、本当の意味での、バレリーナだろう。

*55:一方、今回、怪我のため、来日をキャンセルした、プリンシパルの高田茜(2009年入団。2014年、プリンシパルAkane Takada — People — Royal Opera House)は、《バレエ・スプリーム》の、《ジゼル》第2幕のパ・ド・ドゥで、「ポーズをとる両腕の〈大きさ〉、伸ばした脚の〈長さ〉で、生身を超えて、ジゼルの偉容を誇った」。それは、今回の来日で、踊る予定だった、キトリでは、感じさせないことだった。

*56:〈ロイヤル・ガラ〉全上演作品、および配役決定のお知らせ/What's New/NBS日本舞台芸術振興会

*57:1998年、ボストン・バレエ入団。2003年、プリンシパル。2004年、ファースト・ソリストとして、ロイヤル・バレエに入団。2006年、プリンシパルアメリカ出身。Sarah Lamb — People — Royal Opera House

*58:2013年入団。2017年、ソリスト。イギリス出身。Reece Clarke — People — Royal Opera House

*59:2007年入団。2013年、ファースト・ソリスト。2015-17年、ドレスデン国立歌劇場バレエ、プリンシパル。イギリス出身。Melissa Hamilton — People — Royal Opera House

*60:2013年、ソリスト。イギリス出身。Olivia Cowley — People — Royal Opera House

*61:プログラム/世界バレエフェスティバル 2018/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

*62:unamateur on Twitter: "好きなバレエ・ダンサーはたくさんいるけれど、一番最初に好きになったのは、サラ・ラム。RB来日公演、彼女のオデットを観て、私は、バレエが好きだと、分かってしまった。体験した中で、最もアポロ的なバレリーナである彼女が、バランシン「アポロ」を踊るのも楽しみ。世界バレエフェスティバル。"

*63:上の、ヌニェス、オシポワとの、芸術的な差は、小さいようで、非常に大きい。

*64:2012年入団。2018年、ファースト・ソリスト。ブラジル出身。Mayara Magri — People — Royal Opera House

*65:2012年入団。2017年、ファースト・ソリスト。2019/20年シーズンより、プリンシパルポルトガル出身。Marcelino Sambé — People — Royal Opera House

*66:2012年入団。2017年、ソリスト。2019/20年シーズンより、ファースト・ソリスト。イギリス出身。Anna Rose O'Sullivan — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、キトリの友人を、踊った。

*67:アメリカン・バレエ・シアターを経て、2011年、ロイヤル・バレエ入団。2015年、ソリストアメリカ出身。Meaghan Grace Hinkis — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、キトリの友人を、踊った。

*68:2009年入団。2014年、プリンシパルAkane Takada — People — Royal Opera House

*69:2012年入団。2015年、ソリスト。2019/20年シーズンより、ファースト・ソリストLuca Acri — People — Royal Opera House

*70:2007年、Northern Ballet 入団。2014年、ロイヤル・バレエ入団。2016年、ファースト・アーティスト。2019/20年シーズンより、ソリスト。ブラジル出身。Isabella Gasparini — People — Royal Opera House  先に鑑賞した、《ドン・キホーテ》では、アムールを、踊った。

*71:ラムも、2015年、前々回の、世界バレエフェスティバルでは、Aプロ《ジゼル》と、Bプロ《海賊》では、成否が、分かれたし(ジゼルは、硬かった)、ヌニェスも、ルグリ・ガラで、Aプロ《チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ》と、Bプロ《ジゼル》は、他の、同日の演目より、際立って、よかった。

*72:52人とか、Symphony in C — Productions — Royal Opera House  48人とかいう。http://balanchine.com/symphony-in-c/

*73:それは、《ドン・キホーテ》で述べた、「額縁」とは一線を画する、バレエへの愛に、溢れた(末、踊られた)ものだった。

*74:一方、こちらは、「額縁」に、近かった。