op.1

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ロイヤル・バレエ《ラ・フィユ・マル・ガルデ》をディスクで観る

5月某日、バーミンガム・ロイヤル・バレエ(Birmingham Royal Ballet)来日公演《ラ・フィユ・マル・ガルデ(La Fille mal gardée)》*1を前に、ロイヤル・バレエ(Royal Ballet)による、同演目を、ディスクで鑑賞した。アシュトン版。1981年。

リーズを踊ったのは、レスリー・コリア(Lesley Collier)*2

硬質な脚、なだらかな腕。全体の造形は、控えめで繊細だが、堅固(テクニックも盤石)。上品で、倫理的なまでに美しい。それは、演技においても、一貫している。換言すれば、演技も「踊り」となって、バレエを構成している。これが、「英国バレエの演劇性」だろうか。また、これが、「ロイヤル・スタイル」と呼ばれるものだろうか*3

コーラスを踊ったのは、マイケル・コールマン(Michael Coleman)*4。 

彼の踊りも、控えめながら、端正。ロイヤル・スタイルを示していると思われる。

ジョン・ランチベリー(John Lanchbery/編曲も担当)指揮、ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(Orchestra of the Royal Opera House)の演奏は、技術が低かった。

*1:邦題は《リーズの結婚》。評は以下。バーミンガム・ロイヤル・バレエ《眠れる森の美女》を観る - op.1

*2:1965年、ロイヤル・バレエ入団。72年プリンシパル。95年引退。ロイヤル・バレエ、バレエ・ミストレスを経て、2000年より、Répétiteur http://www.roh.org.uk/people/lesley-collier

*3:かつて観た、ロイヤル・バレエのバレリーナでは、ローレン・カスバートソン(Lauren Cuthbertson)のジュリエットが、造形自体、慎み深い淑女─lady─として演じたし(2016年6月16日、ロイヤル・バレエ来日公演、東京文化会館)、マリアネラ・ヌニェス(Marianela Nuñez)のジゼルは、円やかな様式美から、生身の体温を滲ませた(2017年8月23日、ルグリ・ガラ(Bプロ)、東京文化会館)。

*4:イングリッシュ・ナショナル・バレエのキャラクター・アーティストは、彼だろうか。Michael Coleman - English National Ballet